「あなたは忙しいから、お迎えの車がきたら一人で乗りますから。」
ディサービスの朝、私に気を使って母が言った。
「ばあば、もしかしたら天国からのお迎えの車に間違えて乗ると大変だから
私がちゃんとお見送りするからね。」
こんな私の冗談に、大笑いをする母。・・・それを見てなんだか幸せ。
母が退院してちょうど1ヶ月。
鬼のような娘の特訓に耐え、このごろはトイレも順調で、
ディサービスに元気で行き始めた。
本当によかった。
母の入院と、退院後のしばしの介護の意味は?
「もっと思いやれ。気を使え。面倒を見ろ。」
きっと私への警鐘だったに違いない。
・・・それは、いつか避けられない本当の「お迎え」が来るまで。